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SNAスポーツ栄養学研究会

栄養「食トレ」で体を作る  (朝日新聞)

朝練習を終えた9人の部員朝7時50分。都本所工(葛飾区)の実習工場の一角に3台の炊飯器が並ぶ。中には白飯が計2升。朝練習を終えた9人の部員が、どんぶりに山盛り2杯のご飯をぺろりとたいらげる。完食が義務の「日課」だ。食べきれなかった分は冷蔵庫で保存し、後で食べる。

この筋トレならぬ「食トレ」は小椋俊一郎監督(45)が昨秋から始めた。朝ごはん抜きで練習し、コンビニのパンと牛乳で朝食を済ます部員たちを見て「これじゃ、強くならない」。

メニューは白飯に生卵、納豆、時にはカレーなど。約9カ月で部員の体重は平均10キロは増えた。長谷川滝主将(3年)も「打球の飛距離が10メートルは伸びたし、球速も上がった」と認める。

最近の子は朝ご飯が苦手だ。慣らし慣らし、やっと難なく食べられるようになった。小椋監督は言う。「糖質をとれば頭も回る。勉強面にも多少の効果が出ているはずです」

筑波大駒場(世田谷区)には、部員の栄養をチェックする「食事係」の部員が4人いる。

各部員は年数回、1週間に口にした飲食物を「乳・卵類」「魚・肉・豆類」など4種に分類し、80キロカロリー=1ポイントに換算して提出。食事係が目標値に達しているかチェックする。

同校野球部OBの島知弘監督(24)が、東大野球部時代に受けた栄養士のアドバイスを後輩に引き継ごうと就任の03年秋に始めた。「部員だけで自主的に出来るように」と昨秋から食事係を置くように。「ポイント換算」の仕組みは部員が発案した。係の一人で控え投手の吉田誠君(3年)は「何を食べるべきかという意識が強くなった」と話す。同校では試合中、血糖値を下げないよう、ベンチでキャラメルをなめる。これも知恵の一つだ。

都新宿の田久保裕之監督(23)は、1年生を中心に年数回、栄養講座を開く。上手にコンビニが使えるよう、何を買ったらいいか予算別のメニューも教える。今年からは保護者対象の講座を加え「弁当は昼・午後2食分持たせてください」と訴えている。「球児は立派なアスリート。部員の意志と家庭の協力で球児の体ができ上がります」

東京実(大田区)、都文京(豊島区)でも栄養指導や専門家による講演を行っているほか、朋優学院(品川区)、帝京(板橋区)、武蔵工大付(世田谷区)では食事報告書をつけさせたり弁当チェックをしたり。日本高野連は昨年、甲子園全出場校に食生活や栄養に関する調査を実施した。食への取り組みは高校球界で常識になりつつある。

全国約600校の運動部で栄養講座を開いている栄養補助食品関連会社ニューレックス(本社・大阪市)でも講座依頼や選手の体組成測定、食事診断などの依頼が増えているという。東日本各地を回り、年間約100校での講演をこなす同社の健康運動指導士・大野謙さん(33)は、食べる量が足りない球児は多いと話す。「おにぎり1個の朝食ではだめ。3食以上しっかり完食した上でサプリメントをとるのが肝要。強豪校ほどたくさん食べる傾向にあるようです」

「プロ野球選手の栄養学」で食生活見直しませんか?

杏林予防医学研究所山田豊文所長が解説

野球選手は体が資本。しかし、試合に臨む体をつくるには、単なるトレーニングだけでなく食事面の管理も必要不可欠だ。9球団の14選手と契約、栄養面のアドバイスを行っている杏林予防医学研究所の山田豊文所長(54)は、スポーツ界だけでなく日本の“食”に対する意識はまだまだ低いと訴える。世のお父さんにとってもきっと役に立つ「選手にとっての栄養学」を紹介する。(鈴木勝巳)

中日・落合監督、広島、前田ら師事

故障に強い体をつくりたい。1日でも長くプレーしたい。そんな選手の願いをサポートする山田所長は「本人が(栄養素の)意味を理解し、サプリメントも“なぜ飲むか”を理解することが大事」と強調した。契約の際には、その協力が必要不可欠な夫人同伴で面談。1日かけて100項目以上の問診、説明をし、さらに髪の毛を使ってミネラル分析の検査も行う。そしてさまざまなアドバイス。「牛乳を飲むな」もその一つだ。

「牛乳がいいに潜む常識のウソ」

牛乳はカルシウム過多で、多すぎるとかえって吸収しない。それに消化に負担がかかるとミネラルバランスも崩壊しやすい。結果、肉離れなどの故障につながる。
学校給食などで「牛乳は健康にいい」と教えられただけで意外だが、山田所長は骨が強くなるという根拠はなく、むしろ健康によくないと指摘するデータが数多く公表されている。
これらの理論に呼吸法、ライフスタイルの改善などに加え、選手に納得してもらった上で実行に移す。94年の落合(当時中日=現監督)を皮切りに前田(広島)新庄(日本ハム)らのコンディショニングを指導。基本はマグネシウムを多く含む豆類、オメガ3などの6つの栄養素。それらをもとに作成したのが「理想の1週間メニュー」だ。「あくまでモデルであって、シーズン中は(表の通りに)摂取するのは難しい。理想に近づけることが大事です」
マグネシウムを多く含む豆類、オメガ3を含む背の青い魚(サケ、サバなど)・・・。
さらに筋力、エネルギー、疲労、故障などに対応し、運動選手に必要とされる1日3500キロカロリーを摂取できる献立がズラリと並べられている。戦後、食生活が欧米化。それと同時に「それまでなかった病気(糖尿など)が増え、ケガも多くなった」という。
エネルギーを生み出す細胞に必要な栄養素が正しく供給されないと、体は最高の機能を発揮できない。米国ではこうした細胞栄養学の研究が進んでいる。特に多大なエネルギーを消費し、ストレスがかかる運動選手にとって「栄養改善=故障防止。能力発揮」は重要な要素。山田所長も「日本のアスリートの現状には多くの問題がある」と警鐘を鳴らす。
新庄は02年から肉類を控え、前田は炭酸飲料などを一切やめてミネラルバランスを整えることでアキレス腱手術からの復活につなげた。「一般の人にとっても、食生活の基本は“まごわやさしい”です」。ま、は「豆」で、以下「ゴマ」「わかめ」「野菜」「魚」「しいたけ」「いも」。野球選手はもちろん、ちょっと太り気味のお父さんにとても大事な食材が並んでいる。「私自身も野球が大好きだし、故障は気の毒。ただ日米では国の取り組み方も、選手個人の意識もまだまだ違う」と山田所長。何事も体が資本。“影の努力”は必ずグラウンドでのパフォーマンスに跳ね返ってくる。

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